夏日和 後編

Novels Back Next 背景素材を「Art.Kaede」様からお借りしました    

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 あっと思ったときにはお姫様だっこされ、あたしは聡美さんの乳房のあいだに(その、
谷間というほどじゃない控えめなふくらみなのだ)顔をうずめている。
「最後はもっと涼しい部屋で」
 言葉をくぎったけど、その先は聞かずとも分かる。だから、おだやかな表情とうらはら
にドクドクと昂ぶる聡美さんの鼓動を聞きながら2階の寝室に運ばれ、ぎしりとベットに
沈みこんだ。鼻を埋め、シーツに残る聡美さんの匂いをくんくんとかいでしまう。
「いけない子。何を調べているの」
「だって。お姉さまの匂い、しみついて……」
「動物みたいなのね、ふふ」
 おおいかぶさってきた聡美さんの口づけを今度こそ自分の意思で受けいれて、さえずる
ようについばみながら唇をうなじや頬に這わせていく。聡美さんの指がまたも下腹部へと
伸び、羞恥心をこらえて力を抜くと、まるでそれが当たり前のように長い指先がぬぷぬぷ
とお尻のなかへ沈んできた。あごをそらし、目を閉じ、逆流するような異物感を楽しむ。
 すごい、いくらでも感じちゃう、濡れてあふれてしまう、聡美さんもこの感触を……?
 はじめて、あたしは自分から指をのばした。
「あっ、律子ちゃん、なにを……っ!?」
「お姉さまのも、見たい、から」
 聡美さんの声がおもわぬ動揺の色をおび、なまめかしいあえぎをにじませる。あたしの
指が聡美さんの下腹部を、あたしよりも生えそろった茂みをなぞり、そこから下へと遠慮
なくつぷんともぐりこんだせいだ。湿ったひだにとろりとしずくが絡みつき、ざわめいて
指を深くへ引き込んでいく。もう片方の手をお尻にまわすとあのお尻に埋まったリングに
指がふれ、きゅっと引っぱると初めてのどを鳴らして聡美さんが嬌声をあげた。
 あとは2人とも無我夢中、足をからめあい、たがいの指をたがいの下腹部に沈め、前と
後ろをひたすらにいじくりっこして慰めあう。おたがい性器(とお尻)をいじる指は一秒
だって離したくない、そのぐらい発情してて、だから、手を使えぬままでもどかしく唇を
這わせたり肩を甘噛みして痕をつけちゃったり、あっというまにもとのように身体が疼き
火照り燃えあがっておつゆがあふれだし……ふうふう喘ぎにまみれた聡美さんのもちだす
器具に、目がとろけた。
 いやらしい形状と使用方法は知っている……レズ用の、ペニスバンドだ。
 装着する人の側にも男性を模した突起があって、甘くうめきつつ聡美さんが自分がわの
ディルドをわれめに挿入して腰に沈めると、下半身から黒々した男性のにせものがそりか
えっている状態だ。
「律子ちゃんは、えっと、男性経験ないのよね」
「はい、バージンですから……聡美さんが最初の人です」
 ためらう口ぶりだったのですぐぴーんと来て、あたしの返事は甘えるような、少し挑発
的なものになる。すると聡美さんは意外なことを口にした。
「嬉しいこと言うのね。でも、バージンなら、そっちは大切にしておきましょう」
 え、と聞きかえす前に、聡美さんはあたしの耳たぶをこりこり歯でもてあそびつつささ
やいた――律子ちゃんには、お尻での楽しみかたを徹底的に教えてあげたいもの、って。
 え、待って。でも、じゃあまさか、その太さを、お尻に……!?
「大丈夫よ。さっき指3本半入ったじゃない。ふだんからお尻の好きな律子ちゃんなら、
ほぐれているし、痛くなく入れられるわ」
「……し、知りません」
 言葉責めだぁとか気がついて、思わずぷいっとむくれてしまい、でも次の瞬間くるんと
うつぶせにされ、あたしの腰を聡美さんが押さえこむと、固い、固い、今までにない太さ
のものが、ジェルまみれのぬるぬる感で、背後からお尻に触れてきて……
「さ、息を吐いてね。かわいがってあげる」
「ひ、ひぁぁぁ」
 ぬぬぬぬぬ……
 もうなんていうか他の表現がないくらい、ぎしりぎしりと一息ごとに括約筋をがばっと
引きこじる感覚でとてつもない密度のかたまりがアナルに挿入されてきて、圧倒的な固さ
ときたら燃えたつなんてものじゃなく、火がついたようにお尻の肉がへばりつきまとわり
ついて深くみっちり咥えこみ、太ももどころか下半身全体が汗だくになっていぶりだす。
 すご……こんな、飲みこんじゃって……入ってくるぅぅ……
 入ってくるのがとまらないぃぃ……
 なんかもう手足をばたつかせたくて暴れて、その両手を聡美さんにしっかりにぎられ、
逆上がりに失敗した人みたく両手を後ろにひっぱられると、いっそう深々とディルドを突
きこまれてしまい、胸がたゆたゆとシーツの海で揺れ動く。
 まだ、まだ入って、うっそだぁ、もう指の長さ2倍ぐらい挿入されてるのに、まだ窮屈
なところへ肉壁をこじられていって……
 とうとう、ついに、ぴとんと濡れそぼった聡美さんの下腹部があたしのお尻に密着する。
「根元まで入ったわ、すごいすごい。苦しくはないでしょう?」
「ひっ、はひ……」
 体重をあずけることなくおおいかぶさる聡美さんにあごを首の後ろをちろりとなめられ、
びくびくっと痙攣が伝染して腰にまで響く。なにこれ、全身が過敏になってない……?
 ビビビビっと振動がはしりはじめ、そこで理性がふつんと消滅した。
 たぶん最弱のディルドの振動、でもそんなもの、直腸を串刺しにされてしまったあたし
にとっては、体内からフルボリュームで響かせられているようなもので、その感触たるや
あまりのすごさに内壁とすれあう摩擦にもだえくるい、噛みしめるとかそういう次元じゃ
なくアナルが最初から最後まで開きっぱで、ぎゅっと閉じようと試みたってまったく感触
さえ手ごたえさえ感じないほど無意味なのだから、まさに自分の意思におかまいなくお尻
を犯され放題な身体になってしまっている。
「動くわよ、律子ちゃん」
「は、はぃ……おねえさま、やさしく……」
 すがる瞳でふりむくあたしに優しいキスを一つくれ、お姉さまは本格的に腰を使いだす。
ずずず……ぬけていく感触は、切れ目のない排泄物を力んで力みつづけているような途方
もない排泄感、しかも、めくりかえされた腸壁まで括約筋からひきずりだすような衝撃だ。
 ……たえられる、わけが、ないじゃない。
 かろうじて呼吸をあわせてかは、かはっ、と息が乱れ、絡めた指だってお姉さまのいい
ようにあやつられて自分の胸をくにくにシーツのひだにこすりつけられ、もうなにがなん
だか分からず頭をふりたてて、しがみつくように双頭のディルドを食い締めて裸体をよじ
りたててしまうのだ。
 ほとんど抜けかけたと思ったディルドが一気に打ち込まれ、体じゅうが鳥肌だってどろ
っととろけて液体という液体をあふれさせた。めくれかかったアナルの内側を一瞬で疾走
し、ぱぁんと最奥まで貫くディルドが灼熱の槍となって神経をすみずみまでやきつくし、
ただれさせるのだ。こんなの、リズムも合わせるも何もない、快楽の泉であふれかえった
奈落に頭をつかまれて押しこまれ、溺れさせられているようなもの。
 一突き一突きで背中がそっくりかえり、はあはあと犬のように舌をだしてあえいだ次の
瞬間にはその舌を噛まぬようあわてて歯を噛み鳴らして衝撃にたえ、自分のものじゃない
お尻がビリビリと絶頂にあたしを追い上げていく。
 息をしていることが不思議なほど呼吸が千々に乱れ、ただ熱い硬度だけがあたしの全て。
「あ、は……」
 イった、イきました、そう口にしかけた次の瞬間には引き抜かれていくディルドの反動
でさらに高みへと打ち上げられ、涙目になり、とどまることをしらぬオーガズムに喉まで
おぼれて声もなく泣き叫ぶ。
 壊れ、壊れちゃう……こんなの、ダメェェ……!
 こんなにされたら、あたし……!!
 さいわい、お姉さまがあたしの様子に気づいてくれた。
「あ、ごめんなさい、私が暴走しちゃって……こんな感じかしら、これなら、どう?」
「はひっ、ありがとうございまふ」
 声も出せないあたしを見て、お姉さまの動きがゆるやかに変わり、抽送のリズムがより
軽くテンポをあげていく。どん、どん、ずるるっとお尻の穴がキュルキュル噛みしめたり
ゆるめたりを繰り返し、これなら、そう、お姉さまを感じながらイクことができそうだ。
うん、うん。たしかめて、噛みしめて、味わって、お尻がヘビのようにくねってる。いけ
ないところが痙攣して、しびれの波が広がって、熱く甘くとろけていけそう。 
「おね、お姉さま……あ、あぅ」
「律子……かわいいわ、もっと、もっと私に顔を見せて、律子」
「お姉さまがいっぱい、いっぱい、あたしの中」
 呼び交わしながら、幾度となく腰をうちつけあい、首をねじって唇を吸われ、愛されて
いる快楽を、一心に、汗だくで重ねる裸の身体に刻みつけていく。はしたなくお尻を掲げ、
処女の割れ目をびしょびしょにして、獣のように交わっている……っっ!!
 ぞくぞくと随喜の寒気が弓のように身体をしならせ、痙攣の波で意識が真っ白になった。
 強い快楽のゆりもどしの波をかけられ、脱力した肢体ががくんと弾んで、ほんの数秒、
オーガズムで気絶していたのだと気づく。深々とお尻にはディルドが串ざしのまま、聡美
さんがあわてて抽送中のディルドをぴたっと止めたのだ。
「あ、はふ、お姉さ……ま」
「律子、ちゃ、ん……最後まで、イった、のね」
 おかしい、声が乱れていると顔をあげたあたしは、切なそうに眉をひそめる聡美さんの
顔を目にしてすべてを悟った。刺激の強さからあたしだけが先に行ってしまい、聡美さん
はイクにイケないつらい状態にされてしまったのだ。
 思うと同時にカラダが動いた。自分でお尻のディルドに手を沿え、裸体をうねらせつつ
腰を沈めていく。あっというまにぶりかえす、ビリビリした絶頂のオーガズムそのものの
痺れに気を遠くしつつも、あたしは聡美さんに涙目で訴えかけた。
「さ、聡美ちゃん、どうして……」
「いいの、あたしはいいからお姉さまがイクまでしてェェ……!!」
 一緒にイきたいの……!
 叫んだ瞬間、意識がふっと途切れ、一瞬世界がやみに落ちて……
 ふたたび目をあけた瞬間、括約筋のふちまで引き抜かれていたディルドがずどんと芯ま
で打ち込まれて……あっというまの抽送の連続に、何かをわめき、オーガズムに打ち震え、
指の先までびぃぃんと突っぱらせたまま、それでも受け止めきれる快楽の深みではなく…
…真っ白な輝きにそめあげられ、今度こそ、あたしは絶頂の無のなかへと意識を手放して
転がりおちていった。


「もう入ってきてもいい、ですよぉ」
 その日の夜……あたしの声で入ってきた聡美さんの旦那様は、おーっと娘をみるような
おもはゆい顔で目を細め、部屋着から浴衣に着替えたあたしと聡美さんをにこにこと見た。
健太君はあたしの裾をつかんでおおはしゃぎだ。
 聡美さんと目を見交わし、ほんのり染まる頬に秘密を共有した者の笑みをうかべる。
 ほんの半日前のできごと。
 けれど、その引き返しできない線を踏み越え、あたしと聡美さんはいまや、決定的な蜜
月の共犯者だった。
 あれから、30分位は余韻に浸り、あたしは聡美さんの裸の胸に顔をよせて甘えていた。
どうしてこんなになっちゃったのか、レズなんてありえないような体験をしてしまって、
でも今なら、聡美さんとなら、これ以上なく幸せを噛みしめていられる。
 淡白な旦那様への不満だとか、ネットの通販だとか、いろいろ裏のこみいった事情もあ
るんだろうけど、そんな話は全然大事じゃない。
 あたしと聡美さんの関係は、もう憧れじゃない。本当の意味で愛をかわしあった、もう
二度と手放したくない、そういう意味の好き同士なのだ。


 からからと下駄をならし、暗くなったあぜみちを隣町の花火大会へ急ぐ。
 健太君はお父さんとゲームのように遊びながら歩き、あたしたちはその数歩先を、腕を
組んで歩いている。ときおりよろめきつつ、甘く上気した顔を……いやらしい刺激に、
頬を染めあい、キュキュッといじらしい感触を噛みしめ、じゃれあう。
 からみあう目線は瞳はどこまでも涼やかで、奥ゆかしい人妻のどこにあれほどの淫靡さ
ひそんでいたのか、想像さえつかない。
 瞳のなかに愛情深く映りこんだ自分を見やる。その顔は、ぼうっとのぼせていた。
 新しい刺激が体を満たしているのだ。
 そう。着付してもらった2人のカラダには、えっちな仕掛けがほどこされている。お尻
の穴をみっちりふさぐのはバルーンプラグという空気でサイズがふくらむアナルプラグで、
あたしの中にあるのも聡美さんの中にあるのも、力んだって絶対ぬけない大きさまで膨ら
まされ、文字通りアナル栓になってて、しかも空気を抜く部分にさわれないように上から
チェーンをかけ、小さな尾錠で留めてあるのだ。
 簡易貞操帯……なのだとか。
 もちろん、股間をくぐるチェーンは割れ目に埋もれ、クリトリスも刺激されつづけで、
とぷとぷといやらしい湿り気がつきることなくにじみだす。
「気持ちいいでしょう」「悪趣味ですよぅ」
 口をふくらませつつも、ジィンとたえず疼かされる淡い刺激はまるで一糸まとわぬ裸で
歩いているかのようで、視線が気になってみまわす瞳が泳ぎ、はじらいのあまり発情して
そそりたった乳首が浴衣に擦れてしまうのだ。
 尾錠の鍵とプラグを振動させるリモコンはおたがいの手の中、だから、彼女はあたしの
もので、あたしは彼女のもの。いつONにされて鳴かされるか分からない、ひやひやする
いやらしいゲームのはじまりだ。
 いけない秘密を分かち合う実感。それは、とても愉しく、心地いいものだった。
 ようやく川べりの土手に出ると、そこはちょっとした縁日状態で、立ち並ぶ夜店がにぎ
わっていた。ぼくとつな田舎の祭りめいた騒音が気分を高揚させる
「お姉さまー、花火、楽しみですね」
 あと一週間かそこら、そのあいだ、あたしと聡美さんの記憶はどのくらい増えるだろう。
 無性に頬ずりしたくなって聡美さんの腕に顔をすりすりながら、あたしは、聡美さんの
プラグの振動を、かちりとONにした。


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